このガイドでは、SAP LT Replication Server に BigQuery Connector for SAP のバージョン 2.9(最新)をインストールする方法について説明します。
このガイドでは、BigQuery、SAP Landscape Transformation Replication Server(SAP LT Replication Server)、BigQuery Connector for SAP を準備し、SAP アプリケーションから SAP データをリアルタイムで直接かつ安全に BigQuery にレプリケートする方法を説明します。
このガイドは、SAP 管理者、 Google Cloud管理者、その他の SAP と Google Cloud のセキュリティおよびデータの専門家を対象としています。
始める前に
BigQuery Connector for SAP をインストールする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。
- BigQuery Connector for SAP のプランニング ガイドを確認している。このプランニング ガイドでは、BigQuery Connector for SAP のオプション、パフォーマンスに関する考慮事項、フィールド マッピングなど、BigQuery Connector for SAP の最適な構成に必要な情報について説明します。
Google Cloud プロジェクトが存在しない場合は作成します。
プロジェクトで課金が有効になっている。プロジェクトで課金が有効になっていることを確認してください。BigQuery Connector for SAP をダウンロードするには、請求先アカウントが必要です。
SAP のプロダクトの可用性マトリックスで説明されているように、インストールされている SAP ソフトウェアのメンテナンスは最新状態であり、すべての SAP ソフトウェアのバージョン間に互換性がある。
ソフトウェアの要件に記載されているとおり、使用している SAP ソフトウェアのバージョンが BigQuery Connector for SAP でサポートされている。
SAP LT Replication Server SDK を使用して任意のターゲットにデータを複製するには、正しい SAP ライセンスが必要です。SAP ライセンスの詳細については、SAP Note 2707835 をご覧ください。
SAP LT Replication Server がインストールされている。SAP LT Replication Server のインストールの詳細については、SAP のドキュメントをご覧ください。
SAP LT Replication Server とソースシステムの間の RFC 接続またはデータベース接続が構成されている。必要に応じて、SAP トランザクション
SM59
を使用し、RFC 接続をテストしてください。データベース接続は、SAP トランザクションDBACOCKPIT
を使用して、テストしてください。
インストールと構成のプロセスの概要
次の表に、このガイドで説明する手順と、対象の手順を行うロールを示します。
手順 | ロール |
---|---|
必要に応じて、SAP から適切なライセンスをすべて検証したら、SAP の手順に沿って SAP Landscape Transformation Replication Server をインストールします。 | SAP 管理者。 |
必要に応じて、SAP NetWeaver のユーザー インターフェース(UI)アドオンをインストールします。詳細については、SAP ソフトウェア バージョンの要件をご覧ください。 | SAP 管理者。 |
SAP ワークロードが Google Cloudで実行されていない場合は、SAP システムと Google Cloudの間にネットワーク接続を確立します。 | ネットワーク管理者。 |
SAP ワークロードが Google Cloudで実行されていない場合は、 Google Cloud API へのプライベート アクセスを有効にします。 | Google Cloud ネットワーク管理者。 |
BigQuery Connector for SAP インストール パッケージをダウンロードします。 | Google Cloud 請求先アカウント所有者。 |
BigQuery Connector for SAP をインストールします。 | SAP 管理者。 |
認証を設定します。 | Google Cloud セキュリティ管理者。 |
レプリケーション パスに応じて、次のいずれかの構成オプションを選択します。 |
データ エンジニアまたは管理者。 |
Google Cloudとのネットワーク接続を確立する
SAP ワークロードが Google Cloudで実行されている場合は、この手順をスキップできます。
SAP ワークロードが Google Cloudで実行されていない場合は、ユーザーまたはネットワーク管理者が、 Google Cloudと高帯域幅かつ低レイテンシの安全な接続を確立する必要があります。
接続には次の 2 つの方法があります。
接続を設定するには、選択したGoogle Cloud 接続サービスが指定する手順に沿って操作します。
接続サービスごとにシナリオが異なれば手順も異なるため、サービス ドキュメントを確認し、目的のシナリオに従ってください。
Google Cloud API へのプライベート アクセスを有効にする
SAP ワークロードが Google Cloudで実行されている場合は、この手順をスキップできます。
SAP ワークロードが Google Cloudで実行されていない場合は、 Google Cloudへのネットワーク接続を確立した後、 Google Cloud API へのプライベート アクセスを有効にする必要があります。
プライベート API アクセスを有効にするには、オンプレミス ホスト用のプライベート Google アクセスを構成するをご覧ください。
インストール パッケージをダウンロードする
BigQuery Connector for SAP のダウンロード ポータルから最新の BigQuery Connector for SAP のインストール パッケージをダウンロードします。
ダウンロードを完了するには、Cloud Billing 請求番号が必要です。請求先アカウントについて詳しくは、Cloud Billing とお支払いプロファイルをご覧ください。
インストール パッケージには、SAP LT Replication Server の適切なトランスポート ディレクトリにコピーするトランスポート ファイルが含まれています。
BigQuery Connector for SAP をインストールする
BigQuery Connector for SAP トランスポート ファイルを含むインストール パッケージをダウンロードしたら、SAP 管理者は、トランスポート ファイルを SAP LT Replication Server にインポートすることで、BigQuery Connector for SAP をインストールできます。
BigQuery Connector for SAP 用の SAP トランスポートには、/GOOG/
コネクタ、DDIC オブジェクト、SLT SDK BADI の実装とクラスなど、BigQuery Connector for SAP に必要なすべてのオブジェクトが含まれています。
トランスポート ファイルを SAP LT Replication Server にインポートする前に、ソフトウェア要件に記載されているとおり、SAP LT Replication Server が BigQuery Connector for SAP でサポートされていることを確認します。
サポートされているバージョンの SAP LT Replication Server を使用していても、トランスポート ファイルをインポートする際に、エラー メッセージ Requests do not match the component version of the target system
が表示される場合があります。このような場合は、トランスポート ファイルを SAP LT Replication Server に再インポートする必要があります。再インポート中は、[Import Transport Request] 画面の [Options] タブで [Ignore Invalid Component Version] チェックボックスをオンにします。
次の手順は、おおまかな手順です。SAP システムはそれぞれ異なるため、SAP 管理者と連携して、SAP システムに必要な手順への変更点を確認してください。
BigQuery Connector for SAP トランスポート ファイルを、次の SAP LT Replication Server トランスポート インポート ディレクトリにコピーします。
/usr/sap/trans/cofiles/KXXXXXX.GM1
/usr/sap/trans/data/RXXXXXX.GM1
上記の例で、
XXXXXX
は、番号付きのファイル名を表します。SAP GUI で、トランザクション コード
STMS_IMPORT
またはSTMS
を使用して、ファイルを SAP システムにインポートします。/GOOG/SLT_SDK
パッケージのすべてのオブジェクトがアクティブで、整合性のある状態にします。- SAP インターフェースで、トランザクション コード
SE80
を入力します。 - パッケージ セレクタで、
/GOOG/SLT_SDK
を選択します。 [Object name] フィールドで、パッケージ
/GOOG/SLT_SDK
を右クリックし、[Check] > [Package Check] > [Objects of Package] を選択します。[Result] 列の緑色のチェックは、すべてのオブジェクトがパッケージ チェックに合格したことを示します。
- SAP インターフェースで、トランザクション コード
インストールを確認する
BigQuery Connector for SAP が正しくインストールされていることを確認するには、次の項目をチェックします。
- BigQuery Connector for SAP Business Add-In(BAdI)の実装が有効になっている。
- BigQuery Connector for SAP レプリケーション アプリケーションが
IUUC_REPL_APPL
テーブルにエントリを持っている。
BigQuery Connector for SAP のインストールを確認するには、次のように対応します。
- BAdI の実装を確認します。
- トランザクション SE80 を使用して移動し、
/GOOG/EI_IUUC_REPL_RUNTIME_BQ
拡張オブジェクト フォルダを選択します。 - ページの右側にある [Enh. Implementation Elements] をクリックします。
- [Runtime Behavior] で、[Implementation is active] がオンになっていることを確認します。
- トランザクション SE80 を使用して移動し、
- レプリケーション アプリケーションを確認します。
- SAP データブラウザかトランザクション
SE16
を使用して、IUUC_REPL_APPL
テーブルを表示します。 - 次のアプリケーションが
IUUC_REPL_APPL
テーブルに表示されていることを確認します。/GOOG/SLT_BQ
ZGOOG_SLT_BQ
:/GOOG/
名前空間が登録されていないときに使用します。
- SAP データブラウザかトランザクション
トラブルシューティング
BigQuery Connector for SAP のインストール時に発生する可能性のある問題の診断と解決については、BigQuery Connector for SAP トラブルシューティング ガイドをご覧ください。
サポートを受ける
BigQuery Connector for SAP のインストールに関する問題を解決する必要がある場合は、入手可能な診断情報をすべて収集したうえで、Cloud カスタマーケアにお問い合わせください。カスタマーケアへのお問い合わせ方法については、 Google Cloudでの SAP に関するサポートを利用するをご覧ください。
次のステップ
認証を設定する方法については、BigQuery Connector for SAP の認証の概要をご覧ください。