ステップ 3: GKE On-Prem ユーザー クラスタを構成する

構成のオーバーライドを指定する

Apigee ハイブリッド インストーラは、多くの設定でデフォルト値を使用しますが、デフォルト値がない設定もいくつかあります。それらの設定に対しては、次に説明するように値を指定する必要があります。

  1. hybrid-base-directory/hybrid-files ディレクトリ内にいることを確認します。
  2. overrides-small.yaml ファイルを $APIGEECTL_HOME/examples ディレクトリから overrides ディレクトリにコピーします。
    cp $APIGEECTL_HOME/examples/overrides-small.yaml ./overrides/overrides.yaml

    このサンプル ファイルは、省スペース型のハイブリッド ランタイム インストール用の基本構成を提供します。この構成は最初のインストールに適しています。

  3. cd コマンドで overrides ディレクトリに移動します。
  4. cd overrides
  5. overrides.yaml を開いて、以下に示す必須のプロパティ値を追加します。各プロパティの詳細な説明は、次のとおりです。

    構文

    overrides.yaml ファイルの構造と構文は次のとおりです。red, bold italics の値は、指定する必要があるプロパティ値です。

    gcpProjectID: project-id
    k8sClusterName: cluster-name
    org: org-name
    
    envs:
      - name: environment-name  # The same name of the env you created in the UI
        hostAlias: test-host-alias
        sslCertPath: ./certs/test-cert-name.pem
        sslKeyPath: ./certs/test-key-name.key
        serviceAccountPaths:
          synchronizer: ./service-accounts/synchronizer-service-account-name.json
          udca: ./service-accounts/udca-service-account-name.json
    
    cassandra:
      hostNetwork: true
      dnsPolicy: ClusterFirstWithHostNet
    
    ingress:
      runtime:
        loadBalancerIP: virtual_IP_runtime
      mart:
        loadBalancerIP: virtual_IP_mart
    
    
    mart:
      hostAlias: mart-host-alias
      serviceAccountPath: ./service-accounts/mart-service-account-name.json
      sslCertPath: ./certs/mart-cert-name.pem
      sslKeyPath: ./certs/mart-key-name.key
    
    metrics:
      serviceAccountPath: ./service-accounts/metrics-service-account-name.json
    
    logger:
      enabled: false

    以下の例は、サンプル プロパティ値の追加が完了したオーバーライド ファイルを示しています。

    gcpProjectID: hybrid-project
    k8sClusterName: apigee-hybrid
    org: hybrid-org
    
    envs:
      - name: test
        hostAlias: "*"
        sslCertPath: ./certs/keystore.pem
        sslKeyPath: ./certs/keystore.key
        serviceAccountPaths:
          synchronizer: ./service-accounts/hybrid-project-apigee-synchronizer.json
          udca: ./service-accounts/hybrid-project-apigee-udca.json
    
    cassandra:
      hostNetwork: true
      dnsPolicy: ClusterFirstWithHostNet
    
    ingress:
      runtime:
        loadBalancerIP: 21.0.124.13
      mart:
        loadBalancerIP: 21.0.124.14
    
    mart:
      hostAlias: "mart.apigee-hybrid-docs.net"
      serviceAccountPath: ./service-accounts/hybrid-project-apigee-mart.json
      sslCertPath: ./certs/fullchain.pem
      sslKeyPath: ./certs/privkey.key
    
    metrics:
          serviceAccountPath: ./service-accounts/hybrid-project-apigee-metrics.json
    
    logger:
      enabled: false
  6. 完了したら、ファイルを保存します。

次の表に、オーバーライド ファイルで指定する必要があるプロパティ値を示します。

変数 説明
project-id GCP プロジェクトの ID。
cluster-name Kubernetes クラスタ名。
org-name Apigee ハイブリッド組織の名前。
environment-name ステップ 5: ハイブリッド UI で新しい環境を追加するの説明に従って、UI で環境を作成したときと同じ名前を使用します。
test-host-alias

(必須)クイックスタートでは、ワイルドカード文字「*」を使用します。

*」の使用は、自己署名 TLS 認証情報を使用する場合の試用版インストールでのみ推奨されます。後で、より複雑な Apigee ハイブリッド構成を開発する(複数の環境を作成するなど)場合は、この値に完全修飾ドメイン名を使用する必要があります。

test-cert-name
test-key-name
前にランタイム ゲートウェイ用の TLS 認証情報を作成するの手順で生成した自己署名 TLS 鍵および証明書ファイルの名前を入力します。これらのファイルは、base_directory/hybrid-files/certs ディレクトリに配置する必要があります。次に例を示します。
sslCertPath: ./certs/keystore.pem
sslKeyPath: ./certs/keystore.key
synchronizer-service-account-name create-service-account ツールで生成した Synchronizer サービス アカウント キー ファイルの名前。次に例を示します。
synchronizer: ./service-accounts/hybrid-project-apigee-synchronizer.json
udca-service-account-name create-service-account ツールで生成した udca サービス アカウント キー ファイルの名前。例:
udca: ./service-accounts/hybrid-project-apigee-udca.json
virtual_IP_runtime,
virtual_IP_mart
GKE on-prem 統合負荷分散を使用するには、ハイブリッド MART サービスとランタイム サービスで LoadBalancer の仮想 IP を指定する必要があります。 GKE on-prem では、F5 BIG-IP ロードバランサの仮想 IP が自動的に構成されます。詳細については、GKE On-Prem のロードバランサの設定をご覧ください。
mart-host-alias MART サーバー エンドポイントの修飾 DNS 名。この名前は、この構成に必要な承認済み TLS 証明書で使用される共通名(CN)と一致する必要があります。例: mart.mydomain.com
mart-service-account-name create-service-account ツールで生成した mart サービス アカウント キー ファイルの名前。
mart-cert-name
mart-key-name
前に MART ゲートウェイ用の TLS 認証情報を作成するの手順で生成した承認済み TLS 鍵および証明書ファイルの名前を入力します。これらのファイルは、base_directory/hybrid-files/certs ディレクトリに配置する必要があります。次に例を示します。
sslCertPath: ./certs/fullchain.pem
sslKeyPath: ./certs/privkey.key
metrics-service-account-name create-service-account ツールで生成した metrics サービス アカウント キー ファイルの名前。例:
serviceAccountPath: ./service-accounts/hybrid-project-apigee-metrics.json

まとめ

構成ファイルにより、ハイブリッド コンポーネントをクラスタにデプロイする方法が Kubernetes に指示されます。次は、この構成をクラスタに適用します。

1 2 3 (次)ステップ 4: ハイブリッド ランタイムをインストールする