Looker Studio のパフォーマンスを改善する

Looker Studio レポートでは、フィルタの適用や期間の変更など閲覧者が加えた変更を読み込み、応答するのにかかる時間が、次のようなさまざまな要因によって変わります。

  • 基盤となるデータセットのパフォーマンス
  • レポートの可視化によってクエリが実行されているデータの量
  • 上記クエリの複雑さ
  • ネットワーク レイテンシ

こうした要因の中には、ユーザー自身(または Looker Studio)では制御できないものもあります。たとえば、基盤となるデータ プラットフォームの応答性を向上させたり、ネットワーク接続の速度を上げたりするためにユーザーができることはほとんどありません。ただし、Looker Studio でレポートのパフォーマンスを調整する方法はいくつかあります。

データの更新頻度を調整する

ほとんどのデータソースのタイプにはデータの更新頻度のオプションがあります(抽出済みデータソースは例外です)。このオプションを使用すると、レポートのパフォーマンス、クエリ費用や割り当てとのバランスを取りながら、最新情報を取得できます。各データソースのタイプにはそれぞれデフォルトのデータ更新頻度のしきい値がありますが、このしきい値は必要に応じて調整できます。たとえば、サイトやアプリでの広告のパフォーマンスを測定している場合は、1 日に 1 回データを更新すれば十分である可能性があります。一方、ソーシャル メディアの分析に基づくレポートでは、データを 1 日に複数回更新することをおすすめします。

詳しくは、データの更新頻度を管理するをご覧ください。

抽出されたデータソースを使用する

抽出済みデータソースは、最大 100 MB のデータの静的スナップショットです。作成後、レポートからのデータ リクエストが、基盤となるデータセットではなく、このスナップショットに送信されます。抽出済みデータソースを使用すると、元のデータにライブ接続した状態よりも、レポートやデータ探索の読み込みが速くなり、応答性が高くなります。

抽出済みデータソースには、データの更新頻度に関するオプションはありません。代わりに、抽出済みデータソースのデータを更新するタイミングをスケジュールできます。

詳しくは、データの抽出に関する記事をご覧ください。

BigQuery データソースの改善

以降のセクションでは、BigQuery データを使用するレポートのパフォーマンスを改善するためのヒントについて説明します。

BI Engine を使用して BigQuery データソースを高速化する

BigQuery BI Engine は、高速なメモリ内分析サービスです。BI Engine を使用すると、BigQuery に保存されたデータを分析できます。クエリ応答時間は 1 秒未満で、同時実行性にも優れています。

BI Engine は Looker Studio と統合されるため、データ探索や分析がスピードアップします。BI Engine を使用すると、パフォーマンス、スケーリング、セキュリティ、データの鮮度を損なうことなく、Looker Studio で高機能かつインタラクティブなダッシュボードとレポートを作成できます。

詳しくは、BI Engine を Looker Studio で使ってみるをご覧ください。

BigQuery Storage Read API を有効にする

ページネーションされた結果を使用するクエリでは、BigQuery Storage Read API を有効にすると、クエリ時間を短縮できます。Looker Studio では、クエリの実行時間が短縮される場合に、Storage Read API が自動的に使用されます。

BigQuery Storage Read API を有効にするには、Looker Studio に接続されている BigQuery ユーザーに次の権限を付与します。

  • bigquery.readsessions.create
  • bigquery.readsessions.getData