Compute Engine のベアメタル インスタンス

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Compute Engine には、仮想マシン（VM）インスタンスに加えて、ベアメタル インスタンスも用意されています。ベアメタル インスタンスは、Compute Engine のハイパーバイザを介さずに、ホストサーバーの CPU とメモリに直接アクセスできます。また、すべての CPU パフォーマンス カウンタと組み込みの CPU アクセラレータも利用できます。

Compute Engine のベアメタル インスタンスは、VM インスタンスと同じ方法で使用および管理されます。ベアメタル インスタンスは Google データセンターの物理サーバーで実行され、Google によって全面的に管理されます。

ベアメタル インスタンスは、名前が -metal で終わるマシンタイプを使用して、VM インスタンスと同じように作成します。たとえば、次のようなことができます。

• Hyperdisk ストレージをベアメタル インスタンスにアタッチする。
• VPC ネットワークとサブネットワークに接続するようにネットワーク インターフェースを構成する。

ワークロードの推奨事項

クラウドネイティブのベアメタル インスタンスは、通常は VM インスタンスの代用とはなりませんが、Compute Engine で実行できるワークロードの種類を拡張します。ベアメタル インスタンスのユースケースには、次のようなものがあります。

• 主にサードパーティのハイパーバイザを実行するために、ホストサーバーの CPU とメモリリソースにハイパーバイザを介さずに直接アクセスする必要があるワークロード:
  • ネットワーク セキュリティ
  • CI / CD パイプライン
  • サードパーティのプライベート クラウドと VMware（Google Cloud VMware Engine を介する）
• CPU パフォーマンスの影響を受けやすいワークロード
• CPU カウンタへの直接アクセスやプロセスとスレッドのピン留めが必要なワークロード（金融取引所やその他のリアルタイム ワークロードなど）
• QAT、DLB、IAA などの仮想化不可能な CPU チップ上のアクセラレータを使用するワークロード
• 仮想マシンの使用についてライセンスを受けていないワークロード

VM インスタンスとベアメタル インスタンスの違い

ベアメタル インスタンスでは、VM インスタンスのほぼすべての機能を使用できます。ベアメタル インスタンスで使用できない機能は次のとおりです。

• gVNIC または VirtIO のサポート: ベアメタル インスタンスは仮想化されたネットワーク インターフェースを使用しません。そのため、Intel IDPF LAN PF デバイス ドライバを使用します。
• 複数のネットワーク インターフェース: 各ベアメタル インスタンスに付属するネットワーク インターフェースは 1 つだけです。インスタンスの作成時にネットワーク インターフェースを追加することはできません。コンピューティング インスタンスで複数のネットワークを使用する方法については、複数のネットワーク インターフェースをご覧ください。
• SCSI ディスク インターフェース: 第 3 世代以降のすべてのマシンシリーズと同様に、ベアメタル インスタンスは NVMe ディスク インターフェースのみを使用します。
• アタッチされたディスク: ベアメタル インスタンスでは、Google Cloud Hyperdisk ストレージのみを使用できます。Z3 は、ベアメタル インスタンスでローカル SSD ディスクもサポートしています。
• Windows OS のサポート: ベアメタル インスタンスは、Windows イメージをサポートしていません。
• インタラクティブ シリアル コンソール: ベアメタル インスタンスには、読み取り専用のシリアル コンソールはありますが、インタラクティブなシリアル コンソールはありません。
• 仮想トラステッド プラットフォーム モジュール（vTPM）: セキュアブート、vTPM 対応のメジャード ブート、その他の Shielded VM 機能（Shielded GKE ノードなど）は、ベアメタル インスタンスでは使用できません。Google Kubernetes Engine でベアメタル マシンを使用するには、シールド ノードを無効にする必要があります。詳細については、GKE ノードの無効化をご覧ください。
• ホスト メンテナンス時: ベアメタル インスタンスのメンテナンス動作は TERMINATE に設定する必要があります。ベアメタル インスタンスはホストサーバー全体を使用し、仮想インスタンスではないため、ライブ マイグレーションは実現できません。
• CPU 使用率のモニタリング: CPU 使用率のモニタリングは、ベアメタル インスタンスでは行えません。Ops エージェントをベアメタル インスタンスにインストールする場合は、代わりに OS Reported CPU % 指標を使用できます。

ベアメタル マシンタイプを含むマシンシリーズ

ベアメタル インスタンスを作成するには、以下のいずれかのマシンシリーズを使用します。

C4D マシンシリーズ

C4D インスタンスは、第 5 世代の AMD EPYC Turin プロセッサを搭載しています。384 個の vCPU と最大 3,072 GB のメモリを備えた C4D ベアメタル インスタンスを作成できます。

ベアメタル インスタンスで使用できるメモリの量は、使用するマシンタイプによって異なります。

• c4d-highcpu-384-metal には、384 個の vCPU と 768 GB のメモリが付属しています。
• c4d-standard-384-metal には、384 個の vCPU と 1,488 GB のメモリが付属しています。
• c4d-highmem-384-metal には、384 個の vCPU と 3,072 GB のメモリが付属しています。

C4D は Titanium 上に構築されており、ネットワーク オフロードを使用します。Hyperdisk Balanced ディスクと Hyperdisk Extreme ディスクを C4D ベアメタル インスタンスにアタッチできます。ローカル SSD ディスクは、C4D ベアメタル インスタンスでは使用できませんが、-lssd で終わるマシンタイプで作成された C4D VM では使用できます。C4D ベアメタル インスタンスは、標準ネットワーキングでは最大 100 Gbps、VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスでは最大 200 Gbps のネットワーク帯域幅を提供します。

C4D マシンシリーズは汎用マシン ファミリーに属しています。C4D のマシンタイプと機能の詳細については、C4D マシンシリーズをご覧ください。

C4 マシンシリーズ

C4 ベアメタル インスタンスは、第 6 世代の Intel Xeon スケーラブル プロセッサ（コード名: Granite Rapids）を搭載しています。288 個の vCPU と最大 2,232 GB のメモリを備えた C4 ベアメタル インスタンスを作成できます。

ベアメタル インスタンスで使用できるメモリの量は、使用するマシンタイプによって異なります。

• c4-highcpu-288-metal には、288 個の vCPU と 576 GB のメモリが付属しています。
• c4-standard-288-metal には、288 個の vCPU と 1,080 GB のメモリが付属しています。
• c4-highmem-288-metal には、288 個の vCPU と 2,232 GB のメモリが付属しています。

C4 は、ネットワーク オフロードを使用する Titanium 上に構築されています。Hyperdisk Balanced ディスクと Hyperdisk Extreme ディスクを C4 ベアメタル インスタンスにアタッチできます。ローカル SSD ディスクは C4 ベアメタル インスタンスでは使用できませんが、-lssd で終わるマシンタイプで作成された C4 VM では使用できます。C4 ベアメタル インスタンスは、標準ネットワーキングで最大 100 Gbps のネットワーク帯域幅を提供し、VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスで最大 200 Gbps を提供します。

C4 マシンシリーズは、vCPU とメモリの比率が最も柔軟で、最適なコスト パフォーマンスを実現する汎用マシン ファミリーの一部です。

C3 マシンシリーズ

C3 は、ベアメタル マシンタイプを提供する最初のマシンシリーズです。C3 インスタンスは、第 4 世代の Intel Xeon スケーラブル プロセッサ（コード名: Sapphire Rapids）を搭載しています。192 個の vCPU と最大 1,536 GB のメモリを備えた C3 ベアメタル インスタンスを作成できます。

ベアメタル インスタンスで使用できるメモリの量は、使用するマシンタイプによって異なります。

• c3-highcpu-192-metal には、192 個の vCPU と 512 GB のメモリが付属しています。
• c3-standard-192-metal には、192 個の vCPU と 768 GB のメモリが付属しています。
• c3-highmem-192-metal には、192 個の vCPU と 1,536 GB のメモリが付属しています。

C3 は Titanium 上に構築されており、ネットワーク オフロードを使用します。Hyperdisk Balanced ディスクと Hyperdisk Extreme ディスクを C3 ベアメタル インスタンスにアタッチできます。ローカル SSD ディスクは、C3 ベアメタル インスタンスでは使用できませんが、-lssd で終わるマシンタイプで作成された C3 VM では使用できます。C3 ベアメタル インスタンスは、標準ネットワーキングでは最大 100 Gbps、VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスでは最大 200 Gbps のネットワーク帯域幅を提供します。

C3 マシンシリーズは、vCPU とメモリの比率が最も柔軟で、最適なコスト パフォーマンスを実現する汎用マシン ファミリーの一部です。

X4 マシンシリーズ

X4 マシンシリーズには、次の 3 つのマシンタイプが事前定義されています。

• x4-megamem-960-metal には、960 個の vCPU と 16,384 GB のメモリが付属しています。
• x4-megamem-1440-metal には、1,440 個の vCPU と 24,576 GB のメモリが付属しています。
• x4-megamem-1920-metal には、1,920 個の vCPU と 32,768 GB のメモリが付属しています。

X4 インスタンスは、第 4 世代の Intel Xeon スケーラブル プロセッサ（コード名: Sapphire Rapids）と Titanium を搭載しています。X4 インスタンスでは、Hyperdisk Balanced ストレージと Hyperdisk Extreme ストレージのみを使用できます。ローカル SSD ディスクは、X4 インスタンスでは使用できません。X4 は、標準ネットワーキングで最大 100 Gbps のネットワーク帯域幅をサポートします。

X4 マシンシリーズはメモリ最適化マシン ファミリーに属しています。このファミリーは、提供するコンピューティング リソースとメモリリソースの量が Compute Engine マシン ファミリーの中で最も多く、メモリ対 vCPU 比は汎用マシンタイプを上回っています。

Z3 マシンシリーズ

Z3 は、ベアメタル マシンタイプで Titanium SSD ディスクを提供する最初のマシンシリーズです。Z3 インスタンスは、第 4 世代の Intel Xeon スケーラブル プロセッサ（コード名: Sapphire Rapids）を搭載しています。

Z3 には、z3-highmem-192-highlssd-metal という 1 つのベアメタル マシンタイプのみが用意されています。このマシンタイプには、192 個の vCPU、1,536 GB のメモリ、72,000 GiB のローカル Titanium SSD ストレージが付属しています。

Z3 は Titanium 上に構築されており、ネットワーク オフロードを使用します。Hyperdisk Balanced ディスクと Hyperdisk Extreme ディスクを Z3 ベアメタル インスタンスにアタッチできます。Z3 ベアメタル インスタンスは、標準ネットワーキングでは最大 100 Gbps、VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスでは最大 200 Gbps のネットワーク帯域幅を提供します。

Z3 マシンシリーズはストレージ最適化マシン ファミリーに属しており、高密度で高性能な Titanium SSD ストレージを備えています。Z3 は、 Google Cloudが提供するマシンシリーズの中で vCPU 対 Titanium SSD 容量比が最も高くなっています。

OS イメージ

ベアメタル インスタンスは IDPF ネットワーク ドライバを使用するため、IDPF をサポートする OS イメージのみを使用できます。

各リージョンでのベアメタル インスタンスの使用可否

次の並べ替え可能な表に、各ゾーンで使用可能なベアメタル マシンタイプを示します。地域によって表の行をフィルタできます。[ゾーン] または [場所] で表を並べ替えることもできます。

次のステップ

• Compute Engine ベアメタル インスタンスを作成して起動する。

• インスタンスのハードウェアと機能の詳細については、次のマシンシリーズの仕様をご覧ください。

  • C4 マシンシリーズ （プレビュー）
  • C4D マシンシリーズ（プレビュー）
  • C3 マシンシリーズ
  • X4 マシンシリーズ
  • Z3 マシンシリーズ（プレビュー）